協力いただいている企業さまに訪問してきました①

儲けを出すために仕入れ先からは出来るだけ安く、しかもぎりぎりまで欲しい直前に納入しようというコスト意識がはたらくものです。

しかし、最近はそれが良いのかどうか疑問を持つようになりました。
当社の製品は自身の能力でできる要素は一部の加工に留まります。
それ以外のほとんどは当社が古くからお付き合いいただいている外部の協力企業さまのご支援によって支えられています。

我々メーカーはどうしても完成された製品に着目しがちですが製造業である我々は協力会社さんと今後も共に歩んでいきたいという想いから実際に協力企業様へ直接伺ってお話を聞いてきました。

第一弾は大阪府東大阪市にあるボルト類を取り扱う有限会社藤森製作所さまにお邪魔しました。

創業昭和20年 今年で75年目だそうです。
社長の藤森裕介さんは3代目で私と同世代の40代です。
スタッフさんは社長を含め5名

これまでの歴史を教えてください。
創業者のおじいさまは石川県のご出身で横浜で木材商を経て大阪に来られたそう。
将来的にも安定した注文が得られるという見込みから、早くから東北エリアの農業機械メーカーに目をつけて営業活動を行っていたそうです。
2代目のお父様も東北エリアでの活動を広げ、人脈をつけ、信頼関係を構築していったそうです。
実は、先見の明があったのと同時にスキー好きで、東北にはスキー場があちこちあることも進出していった要因だったそうです(笑)


当時は我々メーカーも大量生産していた時代。物流手段もままならない中、メーカー社員が東大阪までボルトを取りに来て、大量にボルトが入った木箱を寝台列車に乗せて持ち帰っていたんだそうです。

現在の商圏も変わらず東北の農業機械メーカーを維持しつつ建機メーカーからの新規受注を目指しご活躍されております。

とはいえ、残念ながら農家の減少とともに農業機械の販売も昭和末期から平成初頭の盛況をピークに販売台数の減少しています。
更にはコスト削減、大手ボルト企業の台頭によりメーカーからの失注もあったそうです。

得意な仕事の内容をお聞かせください
ボルトサイズはM6~M14というサイズが多いです。
お客様のオーダー、メーカーの製造上都合に合わせ、たとえ数個でも袋に入れて供給しています。
間違いが無いように一袋ごと重量を測り、情報シールを貼っています。
これは大手ボルト企業ではできない事です。

社長に仕事でのやりがいを聞いてみました
お客様がFAX等で持ち込んだ図面を藤森さんご自身の知恵と経験によりローコストでさらに使いやすい提案をした際にその案を採用してもらったことです。

今後はどのようにしていきたいですか?
ボルト製造の多くは周辺の協力工場さんにお願いしているため加工の一部を自社で行うことにより、よりスピーディーに小ロットでの対応ができるためにチャレンジしていきたい。
また、ボルトプラス板金加工等、今無いモノを試作することでよりお客様の価値が上がることに貢献していきたい。
更には農業機械メーカーとの取り引きしている実績で新たなエリアを開拓し、建機などの大きなサイズのボルトを扱っていきたいそうです。

信頼できる関係性
ボルトひとつでもあらゆる工程があり自社でできない事は協力工場に依頼しています。
メーカーによる厳しい納期条件でも何とか対応してくれる背景には日々の情報交換やウソの無い正直な悩み等の感情を吐露することで良い関係が築かれていったそうです。
こんなことがあったそうです。
メーカーが藤森さんに提案した案件があって採用されました。
ところが、その図面を他のボルト取り扱い企業に出し、より安価を求め見積もりを要求していたそうです。
協力ボルト工場「こんな図面が回ってきたでぇ~」
焦った藤森さんはメーカーに何とか変わらず採用してもらえるようにお願いを続け同時にメーカーの不義理、藤森さんを不憫と感じた協力ボルト工場さんは見積回答を拒否してくれたとの事です。

 

大きなメーカーともなると仕入れ担当、発注担当という分業により「数字」という情報だけでローコストな業者選定をするため、このような事案が出やすいと感じました。
メーカーには悪気はないとは思いますが、私がなぜこのような協力企業訪問をしてブログにしようかと決めた理由がそこにあります。
直接業務はしなくてもお互いの真意、義理を感じ些細な誤解があった場合には正直に話せる関係性、安さではなく血の通った価値があると思ったからです。
初めての回にしてはとても充実した訪問取材となりました。

最後に信頼できる協力ボルト加工工場さんにも連れて行ってもらいました
そこの社長さんからは丁寧親切に教えていただきました。

そこで交わされる言葉やスタッフさんの様子を見ても関西特有のキツイ表現ではあるものの藤森さんだからという優しく愛のある関係が垣間見ることができました。

藤森裕介社長、本当にありがとうございました。
そしてこれからもよろしくお願いいたします。

 

有限会社藤森製作所

大阪府東大阪市御厨4-6-33

06-6783-2336