水田除草機SPWは田植機の姿勢が超重要

今年は早い段階から例年になく多くのご注文を頂いている水田除草機「あめんぼ号SPW」。そろそろ除草も終盤ではありますが、山間部や冷涼な場所など、まだこれからという地域もあります。

弊社の水田除草機「あめんぼ号SPW」は田植機アタッチメントの水田除草機です。余っている田植機や中古田植機をご用意していただき、後ろの田植え装置を全て外して水田除草機「あめんぼ号SPW」を装着します。これにより乗用の水田除草機となります。

田んぼを田植機で走ると車輪で轍(わだち)ができてしまいます。通常は田植えのときしか走ることはありませんが水田除草機「あめんぼ号SPW」を使用するためにはもう一度、田んぼに田植機が入ります。このときに注意したいのが、田植えの時と除草の時とで違う田植機を使う点です。

田植機が左右どちらかに傾く

田植機用の除草機あめんぼ号SPWをご検討いただく際、可能であれば除草用にお探しいただく中古田植機は、田植えをしている機種と同じ車輪幅のものを推奨します。田植えのときと車輪幅が違うと上図のように轍が合わず、除草時には傾いてしまう場合があるからです。

あめんぼ号SPWを牽引する田植機としては、上記表のように異なる車輪幅であっても除草の条数を合わせられる配列にして除草機をご用意していますが、やはり田植えと同じクラスの車体を使用していただくのが最もお勧めです。

車体が傾いてもあめんぼ号SPWはある程度の左右水平を取れる仕組みにはなってますが、車体が傾くことにより直進性が悪くなり蛇行しやすくなります。蛇行は苗の列を潰す原因になりますので、除草用にもなるべく田植えと同じクラス(同じ車輪幅)の車体を使用して頂くことが安全に作業するコツです。

スムーズな走行姿勢を保つことで、水田除草機あめんぼ号の能力を最大限に引き出すことができます。

田植機が前後に傾く場合もある

上記の轍(わだち)問題とは別に、田植機の大小によって前後の水平姿勢が崩れる場合もあります。「水田除草機あめんぼ号SPW」にとってはこちらの問題の方が除草作業の成否を大きく左右します。

4~5条植えなどの小型田植機を使う場合

小型の田植機で水田を走ると、車体が軽いために車体前方が土に乗り上げる形となり、前上がり姿勢になりやすい傾向があります。わずかな傾斜なので見た目には分かりづらく、気づかずに続ける場合がほとんどです。

しかし後方にある除草機にとっては大きく土の中に潜る傾斜角となってしまい、苗を土ごと動かすなど大きなトラブルを引き起こします。小さめの田植機で作業する場合は、操縦者の足元にトラクター用ウェイトなどを左右に20kgずつ置いてみるなど、フロントを下げてやることでトラブルが劇的に改善する場合が多くあります。

6~8条植えなどの大型田植機を使う場合

大型の田植機では逆にフロントが潜る場合があります。大きなディーゼルエンジンや大型の装備品が多数ある田植機は、後方の田植え装置を外すと前だけが重くなることがあります。この場合、前輪が深く土中に入り、ホイールカバーに多量の土が貼り付いて持ち上げてきます。これが苗の上に次々と落ちて苗が埋もれてしまいます。また除草機が宙に浮き気味となり左右にドリフトすることもあります。

この場合はなるべく装備品や隠れたウエイトなどを外し、少しでも車体を軽くします。走行姿勢が水平になり、問題を解決することができます。

理想の走行姿勢

水田除草機あめんぼ号SPWの除草能力を最大に発揮するには、このように田植機の走行姿勢が非常に重要です。水深3cm~5cmで、フロート板のつま先だけが水面から見える状態で、白い転車と後方のローラーがキチンと回転していれば良好です。

なお、ワラが多い、藻が多い、有機植物の残渣、など除草機の回転部に絡むものが多い水田では正常な作業が行えません。これらを解消するには秋のうちからワラを漉き込む秋耕をしてみる、春の田起こしや代掻きを細かく入念に行うなどの土作りから準備が必要です。