水稲の「箱処理剤」どうやって撒いてる?
最近、水稲の紋枯れ病が多いということから、AIに「水稲紋枯れ病の予防策は?」と聞いてみました。なるほど、環境要因として高温多湿、降雨量の増加。栽培管理として窒素過多、密植、排水不足…とある。ほー、ほー。
その後もいくつかの質問をし、その一つ「紋枯病に有効な箱処理剤の銘柄は?」の回答に箱処理剤の使用例として弊社のパラットを動画リンクを導いでくれました。それまでいくつかの質問の中に”農業機械”に関する記述がウチの以外は無かったので小躍りしてしまいました(笑)
そんなわけで、今回のテーマ「水稲箱処理剤はどうやって撒いてる?」いってみましょー
基本的に4つの撒き方がある
1.手で撒く
2.田植機据え付けの散粒機で田植えの時に撒く
3.育苗期上からふりかける
4.種まき時に散粒機でまく
んなわけねーーというイラストばかりですが、それはは置いといて(笑)
それぞれメリット、デメリットがあるので下記にまとめました。弊社は「パラット」という4番目の種まき時に撒く機械を製造販売しておりますので主観が入るかもですが、あくまでフラットに見たつもりです。
資機材コスト | 省力性 | 散布量、均一性 | 防除効果 | |
手で | ◎ | ✕ | 〇、✕ | ✕ |
田植機で | ✕ | 〇 | △、△ | 〇 |
育苗中 | 〇 | △ | △、△ | △ |
種まき時に機械で | △ | 〇 | ◎、◎ | ◎ |
1.手で撒く
薬剤銘柄によっては箱買いすると付いてくる紙製の散粒グッズ。線まですくうと規定量というアレです。機械コストはゼロですし、多くの銘柄の箱処理剤は手で撒くことを可能としていますので安価な箱処理剤も使用できます。
撒くタイミングは田植え前日か当日が多いと思います。特に畔に箱を並べて紙の箱で撒くという作業となりますが、1箱当たりの規定量は適切かと思いますが均一性を担保することはかなり難しいだけでなく、田植えという超忙しいイベントに箱処理剤を撒く時間をとってられないというのが現状ではないでしょうか。同時に防除効果は規定量、均一性に比例しているといわれていますので極めて怪しいのではないかと思います。
2.田植機据え付けの散粒機で田植えの時に撒く
現在、一番普及している箱処理剤防除体系ではないでしょうか。いずれ訪れる田植機の買い替え。その際ほとんどの場合、田植え同時箱処理剤散布機の装着を進められるでしょう。ただし機械代面にメリットがあるとは言えません。一方で安価な箱処理剤を含め適応範囲が広い銘柄が多いのはメリットといえるでしょう。
一見、田植え機に乗っていれば撒いてくれるという印象がありますが、田植え時は超忙しい時ですので作業者や経営の見方によって異なるでしょう。田植機に備え付けるものとして苗はもちろんですが、肥料や除草剤を同時に撒く場合があります。補給時は特に忙しいでしょう。箱処理剤を入れるホッパーに除草剤をなんてことが無いようにしなければなりません。
機械の機能として調整があるので薬剤の量はある程度適量なのかと思いますが、縦方向に動く苗に対し横方向にスライドして機械散布方法は均一性にあるかどうか判断ができません。目でちゃんと薬剤が入っているか確認も難しいと思われます。最新機種は分かりませんが。
3.育苗期上からふりかける
この方法を行われている方は多くないと思いますが、実施している方から聞いた内容に驚きました。粒剤を袋から手でつかんでバーーーと撒くんだそうです。
一応、背負い動散を用い、育苗期に処理できる機器があります。労働生産性が高いとはいいがたいでしょう。散布量や均一性は情報が少なすぎて正直分かりませんがどちらも正しく撒かれているとは言い難いです。結果的に防除効果としては不安が残ります。
4.種まき時に散粒機でまく
最後に種まき時ですが、弊社の「パラット」があるので当然ひいき目になります(笑)
もちろん機械機器ですので機械コストはそれなりにあります。またデメリットのひとつとして使用できる箱処理剤が限定されること。それは「播種時処理可能」な箱処理剤に限られます。また、育苗期から効き始め7月くらいまでという長期間の残効能力がありますのでそれなりに薬剤も高価になっています。
種まき時といえば田植え時と同様に忙しいピリピリしているタイミングなので忙しさの中に「箱処理剤を撒く」という仕事が増えることに負担と思うかどうかでしょう。しかし最大のメリットである規定量をキッチリと。しかも極めて高い均一性で撒ける唯一の方法だと思います。つまり、このメリットを活かすことで購入する薬剤総量が想定でき、買い足したり余ったりすることのリスクが減るので結果的に資材コストのデメリットを打ち消すことにつながるかもしれません。
また、何度も言いますが箱処理剤の防除効果は規定量と均一性に比例しているといっても過言ではないことから以上4つの方法で極めて効果的に最も有効な防除体系ではないかと思います。
ただし言っておかなければならないことがあります。ビニルハウスで箱処理剤の播種同時処理を行った場合、その後に野菜の栽培ができないという点です。その場合ブルーシートを引くなどしっかり防御対策を行う事で問題解決になります。
まとめ
農薬を扱うので人に安全であることはもちろんですが、人的労力を軽減し、かつローコストに。ただし最も重要なのはその薬剤の効果を高めること。その手段として貴方はどの手法をとりますか?
弊社は4番の機械「パラット」を造っておりますので何度も言いますが、おススメできます!
とはいえ、冒頭にあるように病気にかかったり害虫被害にあわないことでコメの品質と収量を高めることが最大の目的になるかと思います。
お問合せ歓迎いたします!ご注文お待ちしております!!!
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