みどりの食料システム戦略について美善の考え(その3)
前回の振り返り
「みどり投資促進税制」の認定対象機械の条件として上代が100万円以上ということで
弊社も100万円以上の機械にするぞー!
…という気持ちにはなれませんでした。
なぜなら、弊社が目指す目的に沿っていないのではないか?
と感じたためです。
弊社が目指す目的とはなんだ?
既存の製品が100万円以上ではないからと言って
機能を付け加えたことで条件をクリアした認定機械が
果たして皆さんに求められる製品になっているか?
私たちはそのような意思決定をすることはできませんでした。
有機、無農薬米のチャレンジをするにあたって最大の課題は「雑草」との戦いです。
農家さんが求めているのは「草をどける」コトです。
結果的に米の収量を上げて、収益を得る事でもあります。
それぞれ製品の個性や持ち味を活かせば良いのではないか!
ハイテクだからとかどうせローテクなんで…という括りではなく
それぞれの個性や持ち味を活かせば良いのではないか!
括りで言うと弊社は完全に”ローテク”です。(それしかできませんw)
しかし、ここではあえて”強み”とはいわず、個性を挙げてみるならば
- 構造がシンプルで調整やメンテナンスが容易
- 軽量で取り回しがラク、圃場を痛めにくい
- 故に安価なのでショートスタートしやすい(安いから失敗していいではない!)
機械なので均一性があります。調整はできるとはいえ、
皆さんの田んぼに完璧に自在な追従をさせることは極めて難しいです。
一方で田んぼは土の状態、平野なのか山間部なのかなど
地域性の特徴もあり、さまざまな状況によって性質が大きく異なります。
また、有機資材を投入することで土の性質も変化します。
私たちも長年各地の田んぼにお邪魔しておりますが千差万別です。
除草機を入れるのに難しい田んぼに
ばっちり効果が出せる田んぼがあります。
私たちの考えは、田んぼの状態をよく知るオーナーの方が
機械を走らせながら、適切な設定を探していただき、
機械の持ち味を最大限に活かして欲しいと思っています。
有機農業を推進させる本質は何だ?
有機農業をなぜ広めたいのか?については
農水省の資料を見れば何となくわかりました。
ではなぜ、条件が付くのか?
これも優遇制度があれば当然です。否定はしません。
しかし、新たに有機農業や無農薬で米を栽培したいけど小さく始めたい。
安くてラクな除草機は無いものか?という方も非常に多くいらっしゃいます。
有機農業を広める手段はどんなカタチであっていい。
有機の農産品を求め食する消費者、チャレンジする農業生産者、販売代理店、メーカーなどが
この事業を進めるにあたりみんな幸せになることで
結果的に社会が良くなることが本質であって欲しいです。
まとめ
「みどり投資促進税制」の認定対象機械の条件 | 弊社の製品 | 持ち味 | |
化学農薬、肥料の使用を低減させる上で 有効な機械 |
SPWシリーズ |
SGM 小さな田んぼ、小回り、圃場を痛めない(下記マイナビ農業の記事参照)、作業を止めて調整可能 SPW 乗用でラク、除草機以外の作業にも利用できる |
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単価が100万円以上であること |
SGMシリーズ(4~8条) 385,000~495,000円 SPWシリーズ(4~8条) 165,000~335,000円 |
両シリーズとも構造がシンプルなため安価 設定、メンテナンスがしやすい |
|
販売経過10年以内であること |
基本設計は20年近く経過 |
両シリーズとも基本設計を大きく変えないのは効果を実感していただいているユーザーがいるから ノウハウがある |
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中古機械を活用した商品は対象外 |
SPWシリーズは中古田植機を再利用 |
走行部(つまり中古田植機)がダメになったらまた中古田植機を探せば良い 細い田植機車輪は稲株の間を通過するのに最適 共通なヒッチパーツを持ち合わせいるので、除草機の他にも溝切機、溝堀機を装着できる |
さて
何度も言いますが、この「みどりの~」に対する批判や否定をしているのではありません。
むしろ弊社にも追い風と感じているところでは歓迎の方が強いです。
がしかし、本当に
- ITやハイテクを駆使した高額な機械の投資額を回収できるか?
- それを使う作業者の労働生産性は向上するか?
- そもそもその機械を使いこなすことができるか?
- 幸せになれるか??
他には?
最後に
このブログが弊社の水田除草機検討の一助になれば本当に幸せです<(_ _)>
3回に渡り長いことお付き合いいただきありがとうございました。
おわり
あめんぼ号がマイナビ農業の記事になりました
お時間ありましたら、こちらも覗いてみてください!
https://agri.mynavi.jp/2023_01_16_197234/