ローラークリンパーによって生まれた新たな出会い
耕運しなければ農作物が作れない常識
耕運しなければ農作物なんて作れないという常識があります
一方で耕運しなくても農作物が作れるという小さな事例がいくつかあるようです。
でっかいトラクターに横幅広い種まき機を装着して高速で作業を行っていく
不耕起栽培は何となくそんな光景で海外が進んでいるように思います。
日本はどうでしょう。
常識を批判いたしませんが、なかなかその常識から頭を切り替えるのは難しいでしょうね。
耕運し肥料をふるのが常識です。
ビゼンは不耕起栽培にどう関わっていけば良いのか
水田除草機を当社製品として持っていたかもしれません。
自然栽培の作物を取引きしている「いにしえ」様からきっかけをいただき
不耕起栽培を行うにあたって、だ「ローラークリンパー」を造ってほしいという要望でした。
いにしえWebサイト https://inishi-e.com/
それだけ着手して終わっても良かったかもしれませんが、「不耕起栽培」について興味を持ちました。
しかし無知な我々は
これまでに福島大学や茨城大学の教授にお話しを聞きに行ったり
圃場でテストしたり、オンラインを含む座学や月刊誌「現代農業」でインプットしたり、約1年をかけて勉強してきました。
そもそも「不耕起栽培」って
秋にライ麦を撒いて、翌年の春にローラークリンパーを使ってなぎ倒す。
そうすることによって、微生物の住処になり
倒されたライ麦が被覆となり、雑草が生えにくくなる。
耕運しなくても良い状態の土を創る。そこに穀物の種や野菜の苗を植えていく。
私たちが理解している範囲では、簡単にいうとそんな感じの工程です。
どんなローラークリンパーを造ったのか
不耕起栽培を普及させるため当社に求められたのは「ローラークリンパー」製作の依頼でした。
当社は現在に至るまで、水田向けの田植機を活用したアタッチメント機器が得意なので
田植え機アタッチメントタイプのローラークリンパーをまず試作しました。
同時に人力牽引式ローラークリンパーも試作し、圃場試験しました。
必要とされる仕様条件をクリアし、結果として問題なくライ麦を押し倒せることができました。
その結果、ご縁があって海外の不耕起栽培仕様に匹敵するようなトラクター装着タイプや耕運機に装着するタイプの製作をご依頼いただき着手中です。
ローラークリンパーで繋がる出会い
■原発によって耕作を放棄された農地を再生し、大規模に大豆を作付けする方
■都市部で多品目少量ミニマルな栽培を行おうとする半農半Xな方
■クラフトビールブリュワリーを立ち上げ、原料となる大麦を不耕起栽培で実施しようとする方
ローラークリンパーによってさまざまな愉快な方々と繋がっていきそうです。
不耕起栽培におけるビゼンの立ち位置
慣行栽培が否で無農薬無肥料や不耕起栽培が是とかでは全くなく
耕運しないからトラクターが必要とする化石燃料が要らないとか
微生物のおかげで肥料や農薬を必要としないとか
環境とか環境再生、持続可能とか壮大なことは置いといて…
まずは、
浅・荒耕運、うね立やマルチング、元肥などの工程がなくなる可能性があり
身体が楽になる。時間ができる。支出負担軽減ということが先でもいいのではないかと考えます。
課題とまとめ
新たなチャレンジ農法をされる方を応援したい
そして広がって欲しいと願っています。
ライ麦など被覆作物をローラークリンパーでなぎ倒すのはいい。
では、その上にどうやって播種、定植する?もしかして手でやるの?
そう、不耕起栽培に適した播種機が数少ないのです。
課題はまだまだ残されていますので一つずつクリアしていきたいと思っています。
とはいえ、これから迎えようとする不耕起作付けに向けて、
当社が手掛けたローラークリンパーが各地で成果を上げて、
喜んで頂けることを想像し、今後の課題に応えていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。